不妊の定義とは
不妊とは、どういう状態なのか、知っていますか?
2015年8月、不妊の定義が短くなりました。
日本産科婦人科学会の「お知らせ(不妊の定義の変更について)」をご確認ください。
旧定義
不妊(症)infertility, sterility
生殖年齢の男女が妊娠を希望し,ある一定期間,避妊することなく性生活を行っているにもかかわらず,妊娠の成立をみない場合を不妊という.その一定期間については1年から3年までの諸説があるが,2年というのが一般的である.一度も妊娠しない原発性不妊と,過去に妊娠,分娩した経験のある婦人がその後妊娠しない状態となった続発性不妊とがある.また,不妊の原因によって男性不妊と女性不妊と分ける場合もある.
新定義
不妊(症) infertility, (sterility)
生殖年齢の男女が妊娠を希望し,ある一定期間,避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という.その一定期間については1年というのが一般的である.なお,妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない.
新定義と旧定義の違い
下線部が引かれている部分が、主に変更された部分です。
なんと、不妊の定義の危難が、半分の期間に縮小されてしまいました。
もともとは2年だったのが、1年になっていますね。
そもそも「一定期間については1年から3年までの諸説」となっているので、3年という期間ももともとは定義の中に入っていたのにも関わらず、1年。
また、「避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず」という文言に変わっています。
「継続的に」というのもポイントですね。
家庭によって、性交の回数は全く異なるかと思います。
例えば、2ヶ月に1回の周期でしか性交していない家庭を、この定義に含めていいものか。
もしかしたら、避妊をしてから1回しか性交をしたことがないのに、「私は不妊かもしれない」と思う人がいるかもしれません。
だから、「継続的に」という言葉は大事ですね。
また、「医学的介入が必要な場合は期間を問わない」という1文が加えられています。
1年未満でも、病院で「子どもができにくい」と診断された場合も、不妊の定義に当てはまる、ということが言いたいのだと思います。
なぜ短くなったのか
晩婚化という言葉を聞いたことがあるかと思います。初婚年齢が上昇していますね。
そもそも結婚しない、という人も増えています。
仕事に打ち込んでいる女性が、なかなか子どもを産むタイミングを掴めず、妊娠時期が遅くなってしまったり。
年々女性の妊娠する年齢が上昇しています。
この定義の変更により、「早期に適切な」不妊治療を受けることができることが期待されています。
まとめ
不妊の定義は2015年に短くなりました。
女性の晩婚化、妊娠年齢の上昇により、早期に不妊治療を受けるられるように、2年から1年となっています。
何か怪しいな、と思ったら、一度病院で検査をしてみましょう。